OBOG会について

こんにちは、松井ゼミ新4年の小林です!


もうすぐ新学期が始まりますね!
ゼミや授業の情報収集、進んでいるでしょうか?
個人的には先輩の生の声を聴くのが一番参考になると思うので、些細なことでも聴いてみることをオススメします(^^)


さて、今回はイベントの一つである、「OBOG会」について説明したいと思います。


OBOG会とは、簡単に言うと、
「ゼミの歴代の卒業生の方々をお招きし、ちょっと良いお店を貸し切って交流会をしよう!」という企画です。他のゼミでも行なっている所が多いようです。


昨年のOBOG会は11月の中旬、虎ノ門のイタリアンレストランの一室を貸し切って行われ、一次会には現役生を含めて60人程が参加しました。
普段はなかなか会うことのできないOBOGの方々とお話する機会は、とても刺激になります!
卒業生の進路も様々で、官庁で働いている方、金融業界で活躍されている方、大学院で研究活動をされている方など、いろんな方からお話を聴くことができます。
現在の活躍から、ゼミの昔話まで、いろんな話題が飛び交い、先生もとても楽しそうにテーブルをあちこち回っていらっしゃいました。


それから、OBOG会では毎年、先生に現役生から感謝の気持ちを込めてプレゼントを贈っています。
昨年は、ご家族で使えるような湯のみと、普段あまりつけているのを見ないということで、ネクタイをプレゼントさせていただきました。先生、使ってくださっているでしょうか?


その後近くの居酒屋で二次会を行いましたが、こちらも大盛況。
先生はOBOGの方々と三次会もやっていらっしゃったようです。


とにかく、素晴らしい先輩方とたくさん交流できるとても楽しいイベントです!


松井ゼミは勉強のみならず、こうしたイベントもしっかり楽しむゼミです!
興味がある方は、是非選考を受けてみてくださいね!

ゼミ論・卒論について

こんばんは。矢田です。

今回の記事では、ゼミ論・卒論について説明します。

松井ゼミでは、3年次にゼミ論提出、4年次に卒論提出が必要となります。
今回は、主にゼミ論について説明します。

<ゼミ論について>
卒論は聞いたことあるけど、ゼミ論なにそれ??という人も少なからずいらっしゃると思います。
これは、数十ページにも渡る論文というわけではなく、卒論のプロポーザル(構想)のことです。
具体的に言うと、研究の目的・動機→先行研究→データ・方向性といったことを書きます。
今こういう問題意識を持っていて、それに関して今までこのような研究がなされてて、自分はこんな切り口でその問題に取り組みたい・・・というようなことをまとめていくわけです。
ゼミ論の段階では結論や結果を出さなくても構いません。(もちろん結論まで出せていれば素晴らしいですが…)

なぜ3年生でゼミ論が課されるかというと、3年生の頃から卒論を見据えて問題意識を持って取り組んで欲しいという先生の思いがあるからでしょう。(きっと)
ただ、卒論を見据えてと言いつつも、ゼミ論と卒論でテーマをがらりと変えてもOKです。多分僕もそうします。。

また、ゼミ論や卒論のテーマは、ゲーム理論ミクロ経済学に関係ないことでも大丈夫です。松井ゼミはダブゼミしている人が多いので、もう一方のゼミの内容をテーマにした人も多くいます。金融やマクロ、経営、行動経済学など様々です。野球をテーマにしている人もいたりします。
ゼミ論・卒論共にゼミ内で発表をするのですが、自分が詳しくない分野の話も聞けて、非常に面白いです!

さて、ゼミ論や卒論についてイメージを持って頂けたでしょうか?
正直よくわからないという人が多いと思いますので、詳しく聞きたい方は懇親会等で聞いてみてください!

新歓イベントのお知らせ

はじめまして。松井ゼミの矢田です。

今回は、新3年生向けのイベントを3つお知らせします。

1.ミクロ・金融・経済史系ゼミ合同新歓懇親会(3/26(火)19:30〜22:30)
複数のゼミが集まって懇親会を行います。
松井ゼミの他に、田渕ゼミ、柳川ゼミ、新井ゼミ、西村ゼミ、谷本ゼミが参加します。各ゼミから数人ゼミ生が参加し、新3年生の皆さんとお話します。

詳細は、http://p.tl/AlZ4まで。

2.経友会主催 ゼミ説明会(3/29(金)9:00〜18:20)
各ゼミの説明が15分ずつ行われます。
松井ゼミは、11:25〜11:40に発表します。

3.経友会主催 懇親会(3/29(金)19:00〜20:40)
こちらはほぼ全てのゼミが参加する懇親会です。
皆さんからの質問にゼミ生が答えます。

3/29の経友会主催イベントの詳細は、http://gakusei-keiyukai.main.jp/2012/event/seminarまで。

※なお、イベントへの出席の有無は選考には一切関わりません。

どのイベントも、松井ゼミの雰囲気・魅力や、他ゼミとの違いを知れる良い機会だと思うので、ぜひ参加してください!!

サブゼミについて

こんにちわ、松井ゼミの川窪です。
そろそろどのゼミに入ろうか考え始めるころでしょうか?
自分はこの時期、興味のある分野の本を読んだりゼミのウェブをチェックしたりしていました。
ゼミ選びの機会として合同ゼミ説明会が開催されるので、入りたいゼミの決まっている人も、まだ悩み中の人も是非参加して話を聞いてみて下さいね!


さて、今日は松井ゼミの特徴の一つであるサブゼミについて紹介していきたいとおもいます。
サブゼミとは、ゼミの時間外に自主的に行われる勉強会のようなもので、時間帯としては、水曜日の9時からゼミが始まるまで(10時半くらい)の間に行われています。
松井ゼミでは例年サブゼミが行われており、ゼミの学習だけでは飽き足らない人々が集まって議論も盛んです。サブゼミの運営は3年生に任されていて、テーマの決定から発表まで3年生が取り仕切ります。ただサブゼミに参加して下さる4年生もいたので(今年もいるはず!)、3年生の中で議論が行き詰ってどうしようもなくなるということはなかったと思います^^
テーマの決定は3年生にはきついんじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、その代わり自分の興味のあるテーマについて自由に学ぶことが出来るので、気楽に考えてくれれば良いと思います。また、参加も強制されないので、特別に負担になってしまうということもありません。


上述の通りサブゼミは自由度がとても高く、昨年の夏学期は澤田ゼミ(開発経済学のゼミ)との合同でゲーム理論開発経済学への応用」をテーマに学びました。
ゲーム理論の応用的なテーマについて学びたいというゼミ生の希望のもと、近年では開発経済学にもゲーム理論的分析がとりいれられるようになっているという経緯を踏まえて、このテーマに決まりました。
テキストは、Bruce Wydick, "Games in Economic Development"を使用しました。

Games in Economic Development

Games in Economic Development


開発経済学における最も重要な問題の一つに、「なにが貧困と繁栄を分けるのか?」という問題がありますが、これは経済成長論などのマクロ的な観点から見る事も出来ますが、人々の相互作用の観点から見るにはゲーム理論が大いに役に立ちます。
駒場の「ミクロ経済学」でナッシュ均衡などの概念を教わったかと思いますが、そういったものがここでも生きてくるわけです。(そういえば、今年は松井先生の担当でしたね^^)
ここからもゲーム理論の適用範囲の広さが伺えますね!


このように、松井ゼミには勉強したいなと思うことを自由にやることができる環境と仲間がそろっています。せっかく経済学部に来たのだし、経済学をつかって興味のあることを学んでみたいという人は是非松井ゼミに興味をもってもらえればと思います^^

2013年度夏学期のテーマ「契約理論」

はじめまして、松井ゼミの山内です。
今回の記事では来年度の夏学期のテーマについて説明します。
夏学期のテーマは「契約理論」で、扱うテキストは伊藤秀史『契約の経済理論』です。

契約の経済理論

契約の経済理論


契約理論については4学期に駒場で開講された「ミクロ経済学」や「マーケットとファイナンス」のマーケット担当分などで触れた方もいるかもしれません。また、「逆選択」や「モラルハザード」といった用語を聞いたことがあるかもしれませんが、この二つは契約理論において主要な問題となっています。


さて、契約理論とはどのような分野なのかを説明するにあたり、契約理論で分析の対象となっている問題を例示してみます。

・オークションにおいて、買い手にとってその財にどれだけの価値があるのかを売り手が知らない場合、売り手は自分の期待収益を最大にするためにどのようなオークション制度を設計すればよいか。
労働市場において労働者の能力を雇用主は採用する前に知ることができないが、企業はどうすれば採用したい労働者とそうでない労働者を選り分けることができるだろうか。
・財産保険会社は保険加入者が盗難や火災といった事故に気をつけるかどうかを観察できないため、保険加入者は保険の存在を当てにして事故を予防する努力をしなくなる誘因がある。どのような保険制度を設計すればよいか。


他にも多くの応用例がありますが、以上の問題に共通しているのは、「情報の非対称性」が経済主体間で発生していることです。オークションの問題では買い手にとっての財の価値、労働市場においては労働者の能力、保険の問題においては保険加入者の予防努力、が「私的情報」、つまりある主体には知られているけれども、別の主体には知られてない情報であるため、問題が生じています。一般に、「経済主体の特性」が私的情報である場合の問題を「逆選択」、「経済主体の行動」が私的情報である場合の問題を「モラルハザード」と呼びます。また、インセンティブの問題も存在します。例えば、労働市場において労働者に「あなたは有能ですか?」と聞いて正直に「はい」「いいえ」と答えてくれるならば雇用主はまったく苦労しないわけですが、実際にはそんなことはないでしょう。私的情報を戦略的に利用するというインセンティブが経済主体には存在するため、情報を開示させるにはインセンティブの問題を考慮した制度設計が必要になってきます。このように「非対称情報が存在するもとでインセンティブの問題を解決するための仕組み」が「契約」と呼ばれ、そのような問題を分析する方法を開発する分野が「契約理論」と呼ばれています。


ミクロ経済学」の講義で学んだ(そして苦労したかもしれない)一般均衡理論では、経済主体間の戦略的相互作用の分析はきわめて限定されており(価格メカニズムを通してのみ経済主体は反応するため)、また情報の非対称性の問題は存在せず、完全競争市場においては自由放任が社会的にも望ましい効率的な資源配分を達成するため、各経済主体のインセンティブを考慮する必要はありませんでした。一般均衡理論は市場間の相互作用を考慮するモデルですが、契約理論においては多くの場合、非対称情報やインセンティブの問題を分析するために一般均衡アプローチを一時的に保留し、ある経済取引を扱い他の経済全体とは切り離す部分均衡アプローチがとられます。そして結果的に少数の経済主体間の取引関係を分析するために、「マーケットとファイナンス」の講義で学んだゲーム理論の分析手法がよく用いられます。その意味では、契約理論とゲーム理論は密接な関係を持っています。一方で、契約理論は経済主体が直面する制度を価格メカニズムのみではなくインセンティブを考慮した制度に拡張した中での経済主体の最適化行動を扱っているという点で「ミクロ経済学」の講義で扱われた価格理論を拡張した理論であるともいえます。


以上で見てきたことから想像されるように、契約理論は社会における広範かつ多様な状況をカバーしています。経済学で伝統的に扱われてきた「市場における最適な資源配分」の問題のみならず、幅広い社会・ビジネスにおける問題に対して分析道具を提供することができる分野であると言えるでしょう。「非対称情報」や「インセンティブの問題」は冒頭で挙げた例のみならず広く社会に溢れており、またその多くは重要な問題となっています。松井ゼミに入って学んだことをもとに、社会・経済における関心のある問題を分析・解決する道標としたい方、また新しい問題を分析するための道具を開発したい方などなど、ぜひともにゼミで学びましょう。契約理論は講義で学ぶ機会も多いですが、自分の関心のある問題について他の学生や先生と議論しながら理解を深めていくならばやはりゼミが一番です。


リンク
『契約の経済理論』 (a course in contract theory) - Hideshi Itoh
ゼミで使うテキスト『契約の経済理論』の著者である一橋大学教授伊藤秀史先生によるテキストのサポート・ページ。練習問題、正誤表、補足説明などのほか、目次、イントロダクション、第1章「アドバース・セレクションの基本モデル」がPDFでダウンロードできます。

組織とインセンティブ設計の経済分析を豊かなものとするために - Hideshi Itoh
同じく伊藤先生による契約理論と組織の経済学、行動契約理論といったトピックについて触れたページ。今回の記事では触れられなかった、企業をブラックボックスとして扱う伝統的な企業理論への批判としての企業組織の分析という契約理論の側面について解説されています。

伊藤秀史(2007)「契約理論 ミクロ経済学第3の理論への道程」『経済学史研究』49(2): 52-62.【PDF】
同じく伊藤先生が契約理論の発展の経緯やその意義について『経済学史研究』内に執筆された文章を伊藤先生がWeb上にPDFでアップロードしたもの。今回の記事はかなりの部分でこの文章に影響されています。

ECONO斬り!! 契約理論と企業・金融
政策研究大学院大学助教授の安田洋祐先生が執筆なさっているブログ「ECONO斬り!!」における契約理論に関するエントリー。やはり今回の記事では触れられなかった契約理論における「不完備契約」に関する文献やその他契約理論のテキストが紹介されています。

ゼミ生紹介(枝村)

こんにちは。
松井ゼミの枝村です。
柳川ゼミとダブルゼミをしています。

ゼミ生紹介ということで入った経緯や感想を書きたいと思います。

私は駒場の授業でゲーム理論に興味を持ち、松井ゼミを志望しました。
またダブルゼミ推奨で、人数も多く優秀な人が多いことも魅力でした。

入ってみての感想は本当に優秀な人が多いですね。
色々なゼミの人もいるので、経済についてわからないことがあれば何でも
ゼミ生の誰かが答えてくれると思います。
松井ゼミの学習内容は私が当初思っているより難しいものでしたが、
優秀な先輩達が教えてくれたのでなんとか理解できました。
また開始時間が早いのは松井ゼミだけで朝が辛い時がありますが(笑)、
逆に松井ゼミが健康的な生活を送るための一助になっています。

松井ゼミは多様な人材を求めているので、ぜひぜひ興味を持って頂ければと思います!

2012年度のゼミの内容

新歓ブログ担当の中川です。
今回は2012年度にゼミで扱ったテーマについて紹介したいと思います。

夏学期にはギルボア・シュマイドラーの「決め方の科学−事例ベース意思決定理論−」を扱いました

決め方の科学―事例ベース意思決定理論

決め方の科学―事例ベース意思決定理論

  • 作者: イツァークギルボア,デビッドシュマイドラー,Itzhak Gilboa,David Schmeidler,浅野貴央,松井彰彦,尾山大輔
  • 出版社/メーカー: 勁草書房
  • 発売日: 2005/01/01
  • メディア: 単行本
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駒場でやったミクロ経済学では、「あらゆる事態を想定して最大化問題を解く合理的な個人」、みたいな考え方が大半を占めていたと思いますが、この事例ベース意思決定理論は「過去の経験をもとに次の行動を意思決定する」という少し異なった考え方で個人を捉えます。「世の中の情報を完璧に把握しているか、あるいは断片的にしか把握していないとしても完璧な計算を行って意思決定する」というのは少し非現実的なのでは?という問いを持つ人にはぴったりなトピックだったでしょう。

冬学期にはTirolの"The theory of Industrial Organization"を扱いました。

The Theory of Industrial Organization (The MIT Press)

The Theory of Industrial Organization (The MIT Press)

こちらは夏学期のような完全な基礎理論ではなく、実経済で起こっている事を説明する応用理論でした。具体的には「垂直統合は価格をどう変化させるか?」などです。冬学期の講義である「産業組織」や「規制の経済学」とかぶるものもありました。

また、確率論的なトピックの任意参加の補講として、実解析の教科書である

Introductory Real Analysis (Dover Books on Mathematics)

Introductory Real Analysis (Dover Books on Mathematics)

を扱いました。
輪読の途中で出てくる確率的なトピックを厳密に議論しようとすると、
いきなりσ加法族をはじめ、聞きなれない単語が出てきてわけのわからないことになるので、
その理解の助けにと松井先生のご好意でゼミの時間外に講義してくださりました。