来年のテーマについて

【これは2012年度の記事です】

はじめまして!
松井ゼミの福島です。

ゼミ長(皆さん察していると思いますが猿谷はゼミ長です)からあった通り、今回は来年の夏学期のテーマである「事例ベース意思決定理論」についてお話します。

…といっても、まだ僕たちも学んでいないわけで、猿谷みたいに詳しくは書けないので(笑)
ざっくりと大まかなイメージだけ紹介しますね(^-^)/


経済学で重要になる問題の1つに、不確実性が存在する状況での意思決定をどう考えるかという問題があります。
現実の社会では、100%と言いきれることなんてめったにありませんから、これが重要だというのは当たり前ですよね。

その不確実性下での意思決定を扱う代表的な理論が、「期待効用理論」です。
(皆さんも駒場のミクロで学んだと思います。)

若干不正確かもしれませんが、ものすごくざっくり言うと、
何が起こるかわからないなりに、○○が起こる確率は××くらいかな?ということを起こりそうなこと全てに対して考えて、その確率をもとに効用の期待値を考える
という考え方です。
これはとても強力な理論で非常に広く使われています。
が、その一方で、問題が全くないかというと、(どんな理論でもそうですが)そんなことはありません。

さきほど「起こりそうなこと全てに対してそれが起こる確率を考える」と言いましたが、
これって実際可能でしょうか??

たとえば、旅先で「昼ごはんに何を食べるか」という意思決定を考えてみます。
知らない街なので、どのお店がおいしいかはよくわかりません。
このとき「起こりそうなこと全てに対してそれが起こる確率を考える」ことは可能ですか?

たぶん無理だと思います。
そもそも起こりそうなことを全て列挙することができないのではないでしょうか。

とすると、期待効用理論で考えるのはちょっと不自然な気がしてきませんか?

そこで、ギルボアとシュマイドラーという2人の研究者によって考えられた別の枠組みが、「事例ベース意思理論」です。
(ちなみにギルボアは松井先生の師匠で、シュマイドラーはそのギルボアの師匠です!笑)

事例ベース意思理論の基本的な考え方は、
「人間は過去の事例・経験を参考にしながら物事を決めていく」
というものです。
昔似たような状況でよい結果を出した行為を選び、悪い結果を出した行為は避ける。
なんとなくもっともらしくないですか?


来年の夏学期は、ここまで書いてきたような話をもうちょっとかちっと考えます。
具体的にはhttp://www.amazon.co.jp/%E6%B1%BA%E3%82%81%E6%96%B9%E3%81%AE%E7%A7%91%E5%AD%A6%E2%80%95%E4%BA%8B%E4%BE%8B%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B9%E6%84%8F%E6%80%9D%E6%B1%BA%E5%AE%9A%E7%90%86%E8%AB%96-%E3%82%A4%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%82%AF-%E3%82%AE%E3%83%AB%E3%83%9C%E3%82%A2/dp/4326502592を輪読します。
(輪読で思い出しましたが、ゼミの進め方など気になっている方もいると思うので、近いうちにそのあたりのこともブログに書きますね^^)

なんだか難しそう…と思われる方もいるかもしれませんが、ちゃんと4年生がフォローするので大丈夫です!
上で述べたような考え方は授業では絶対に扱わないので、興味を持ったら是非松井ゼミで一緒に学びましょう♪


なんだかとても長くなってしまいました(^^;

ここ3回めっちゃ真面目な記事が連続してしまいましたが、今後はもうちょっとソフトに、イベントなどについても紹介していく予定です。
また是非チェックしてください!!